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§ JOURNAL · ガイド

発明提案書の書き方:AI起草前に整理する情報

· 6 分で読めます· Patent Taskチーム

発明提案書は、発明者が知っている技術内容を知財担当者や弁理士に伝えるための資料です。会社によって「発明届」「技術説明書」など名称や様式は異なります。ここで示す項目は情報整理用であり、特許庁へそのまま提出する法定様式ではありません。

文章をきれいにする前に、事実、仮説、未確認事項を分けることが重要です。AI起草でも、入力にない実験結果や設計上の判断を正しく補えるとは限りません。

そのまま使える記入項目

1. 発明の仮名称と技術分野

何を対象にする技術かを一文で書きます。商品名だけでなく、「保冷容器の温度監視装置」のように仕組みが分かる名称を添えます。関連する担当者、資料の版、作成日も手元の管理情報として残してください。

2. 従来の方法と困っている場面

誰が、どの状況で、何に困っているかを記載します。従来の方法を実際に確認したのか、仮定しているのかも区別します。既知の文献や製品があれば、名称、出典、確認日を残します。

3. 解決する仕組み

主要な構成要素、それらの接続、情報や力の流れ、動作条件を説明します。「AIで最適化する」だけで終えず、何を入力し、何を判定し、何を出力するかを書きます。

4. 一つの具体的な実施例

具体例を一つ選び、開始から終了まで順を追って説明します。数値や単位を使う場合は、実測値、設計値、説明用の仮値を明示します。通常時だけでなく、入力がない場合や故障時の動作も確認しましょう。

5. 代替案と変更できない部分

部品を置き換えられる場合は、置換対象と成立する条件を書きます。発明の目的を達成するために不可欠な部分と、製品ごとに変更できる部分を分けます。未検討の代替案は、実施可能と断定せず検討事項として残します。

6. 効果とその根拠

比較対象、測定条件、試行数、結果の所在を記録します。データがなければ「効果は未測定」と書けます。見栄えのよい数値を埋めるより、何が未確認かを示す方が次の検討に役立ちます。

記入例:保冷容器の温度監視

以下は全項目を説明するための架空例です。

課題: 容器を短時間開いた際の温度上昇で通知が発生する。

手段: 温度が設定値を超えた状態の継続時間を計測し、設定時間に達すると通知する。

実施例: センサ、制御部、通知部を備える。設定時間内に温度が設定値以下に戻った場合は計測をリセットする。

未確認事項: 測定周期と設定時間の妥当な値、センサ故障の検出方法、通知を解除する条件。

効果: 一時的な温度上昇による通知を減らすことを期待する。削減率は未測定。

この例では「削減率は未測定」という情報を削らないことが大切です。AIが文章を整えた後も、測定済みであるかのような表現に変わっていないか確認します。

AIへ渡す前の確認

  1. 数値、単位、条件、否定表現を原資料と照合する。
  2. 発明者の説明と推測を分け、不明な項目を明記する。
  3. 他者から受領した秘密情報や個人情報を含める必要があるか確認する。
  4. 公開済み資料、発表予定、共同開発の有無など、出願時期や権利関係の検討に必要な情報を担当者へ伝える。
  5. 図や写真を使う場合は、本文中の名称と符号を対応させる。

この情報がそろったら、AI特許起草のヒアリングまたは直接入力で初稿作成へ進めます。整理結果を確認してから申請書類の起草に移る操作は、起草ガイドで説明しています。

次に作るもの

提案書の文章をそのまま明細書へ貼るのではなく、明細書の構成に合わせて並べ直します。また、何を保護したいかは請求項の考え方と合わせて検討してください。

参考資料

e-Gov法令検索「特許法」第36条では、発明を実施できる程度に明確かつ十分に記載することなどが求められています。本記事の整理項目を埋めただけで、その要件を満たすと判断できるわけではありません。出願内容や公開時期について判断が必要な場合は、弁理士やINPITの相談支援窓口への相談も検討してください。

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